2006-01-01から1年間の記事一覧

スピッツ / 99ep (1999 / 01 発売)

この作品は99年の元旦に発売された、epという変則的な形をとった、言ってみれば3曲入りのミニ・アルバムだ。当時の日本のシーンは所謂98年世代の台頭が顕著で、思い浮ぶいくつかの作品をざっと並べてみても、くるり『さよならストレンジャー』、椎名林檎『…

それでオトナになれるなら…

バンドっていいなぁ。 並んだ時の佇まい一つで全てが分かる。 Supercarは本当に素晴らしいバンドだった、本当に。 ずっと少年のままでいたいなぁ。 今日の1曲:Supercar / Lucky

スピッツ / 花鳥風月(1999 / 03 発売)

スピッツのアルバム作品において、最もスピッツ臭さが強い作品はどれかと問われれば、僕は間違いなくこの作品を挙げる。スピッツというバンドは、デビュー当時からシングルやアルバム収録曲では使えない実験的な曲を、シングルのカップリングにおいて発表す…

祝!PBL in SHIBUYA-AX

PaperBagLunchboxがSHIBUYA-AXでのライヴを無事終えたようだ。 お疲れ様でした。 これまで数百人規模のライヴハウスでライヴを行ってきた彼らにとって、 AXのような大箱でのライヴは恐らく初めて。 引きつったフユキくんの顔が思い浮かぶ。 元々このイベント…

Asian Kung-Fu Generation / 或る街の群青

12月23日より公開予定の、松本大洋原作のアニメ映画『鉄コン筋クリート』の主題歌として発売されたシングルの本作。歌詞カードには「inspired by 『鉄コン筋クリート』」と記されており、今回は書き下ろしの曲である。アジカンの曲がアニメに使われるのは、…

アジカンが聴きたくなる季節です。

アジカンが聴きたくなる季節になりました。 毎年決まってこの季節は、“アンダースタンド”をリピートしています。 先月発売された『フィードバックファイル』、皆さんはゲットしましたか? もし僕が現在中学生でこれを聴いたら、全てを投げ出してバンドをやっ…

浜田真理子 / 夜も昼も

この作品に驚愕という言葉は似合わない。でもこれは本当に驚愕で、とてつもない感動に満ち溢れた、素晴らしい一枚だ。浜田真理子は現在でも地元・島根でOLとしての仕事をこなし、その傍らで音楽活動も行っている1962年生まれのシンガーソングライターだ。現…

スピッツ / フェイクファー (1998 / 03発売)

このアルバムが発売された98年という年は、日本のポップ・ミュージックシーンにおいて、大きな地盤変化が起こった年である。言わずもがな、その最大の理由はくるりやSupercar、中村一義にDragon Ashといった所謂「98年世代」の台等と、その一つ旧世代にあた…

Ogre You Asshole / 平均は左右逆の期待

Ogre You Assholeは長野・松本で結成され、現在は名古屋を中心に活動を続ける、インディバンドだ。音楽的には米国インディを基調としながらも、現在のポストパンクな世のトレンドともリンクする、日本のインディ・シーンの若手筆頭株とも言える。その奇妙な…

Ben Kweller / Ben Kweller

正直に告白しよう。僕は完全にBen Kwellerのことを舐めていた。ここまで突き抜けた作品を作ってくるとは思いもしなかった。本当に素晴らしい。自身の名義としては3枚目となるセルフタイトル作。ここには我々がElliott Smithに求めていたもの、Fountains Of …

名盤は埋もれても。

さっきCDの棚を漁ってたら、驚愕の1枚を発見(再発見?)! 羅針盤『ソングライン』。 これ、マジでヤバい。 拙い文章に嫌気がさすけど、ホントにヤバい。 Rovoは大好きな自分ですが、羅針盤というバンドにはあまり思い入れがなかった。 山本精一という人物…

農業について。

ここ最近、いや厳密には半年ほど前から頭を過ぎっていた言葉。 農業。 Re:Sの最新号で「農業で食べていく」という特集を読んだ後、それは確信に変わった。 僕には農業が必要だと思った。 勿論、今すぐではない。 音楽ライターとしてやりたいこと、やらなきゃ…

Beck / The Information

前作『Guero』発表時にSnoozerのタナソウさんはその『Guero』について、「このアルバムを『Odelay』への回帰として位置付ける視点も、あまりに単純すぎて気に食わない。このアルバムはむしろ、前作『Sea Change』と並ぶBeckの最高傑作『One Foot〜』のアップ…

スピッツ / インディゴ地平線 (1996 / 10 発売)

『ハチミツ』に続き、ミリオンセラーを獲得した彼らの代表作なのだが、実はこの作品、スピッツのキャリアにおいてはかなり異色な作品でもある。当時のスピッツは前年のブレイクを経て、Mr.Childrenと並ぶ「日本でも最も多忙なロック・バンド」として、その活…

メカネロ

09/27 at 渋谷O-Nest先月は結構な数のライヴを見ていまして、特にこの10日間ほど、かなり濃密なイベントに参加させていただいた。ただ、全てのライヴを文章化するのは時間的に見ても明らかに不可能だったので、中でも印象的だったこちらのライヴについて書か…

Rovo / Condor

Rovoというバンドは、いつもポップシーンの流れからは一つ距離を置いた場所で、その活動を行っているように僕には写った。それはメンバーそれぞれがその分野において確固たる地位を既に築き、何よりとてつもない技術を持った本物のアーティストだから当然の…

The Rapture / Pieces Of The People We Love

4年前、ポストパンク・リヴァイヴァルのパイオニアとして登場した彼らは、本当に奇妙な存在だった。その出自をパンクに持ちながらも、ブレイクするきっかけとなったのは、恐らくパンク・シーンとは全くの対極にある界隅のクラブ・シーンで、ダウーなトラッ…

よく寝れてます。

最近はちょっと忙しかったので、ブログの更新を怠ってた。 まあ忙しいと言っても、これは嬉しい忙しさ。 新しい出会いや旧友との語らいを経て、僕の周りが少しずつ変化しつつある。 数ヶ月前からの地道な行動が、少し実ってきたような。 でも、まだまだ時間…

Yo La Tengo / I Am Not Afraid Of You And I Will Beat Your Ass

こうしたキャリアのあるバンドの新作について、前作からの流れが云々という書き出し方をするのが僕はどうも嫌いだ。それはただ単純に、この文章が彼らの新しいレコードについて書かれるべきものであるからだ。が、僕自身がYo La Tengoフリークであるというこ…

スピッツ / ハチミツ(1995 / 09 発売)

“ロビンソン”大ヒットの追い風を受け、彼らの持つ魔法が全開となった、スピッツのキャリアを代表する1枚。スピッツの武器とは、魔法とはなんなのか。それはマサムネの生み出す言葉とメロディであり、気恥ずかしいほどのポップさを持ち合わせていながらもど…

連鎖のはじまり(出演:キセル、七尾旅人 etc.)

06/08/30 at 初台The Doors このメンツに「連鎖のはじまり」というイベントタイトルを聞いて、出向いて行かない手はない。何でも主催はULOPらしいのだが、やはり最大の目的はキセルと七尾旅人だ。特にキセルは意外にも初めてのライヴだったので、かなりの期…

二階堂和美 / 二階堂和美のアルバム

二階堂和美の存在は、現在の日本におけるオルタナティヴ・ミュージック・シーンの充実振りを、見事に象徴していると言えるだろう。例えば、以前に僕が小谷美紗子の新作で書いたような日本の女性シンガーソングライターの不遇さや、ポップシーンに対する距離…

Rovoの季節。

昨日、野音で行われた「World Beat 2006」に行って来た。 今回はRovoが出演するということで、それに伴う物販のお手伝いという形での参加だったが、 久しぶりに観たRovoは果たして、ネクストステージへ突入したことを告げる、本当に格別なライヴだった。 も…

Moools / モチーフ返し

へなちょこ、もしくはへっぽこ。Mooolsの音楽を言葉で表現すると、こんな言葉がぴったり来る。日本を代表するオルタナティヴ・バンドに対して、失礼な言葉と思うかもしれないが、いやいや、これは最大級の褒め言葉である。そう、かつてのPavementがそうであ…

僕はすいとうを買います。

米国のTower Recordsが破綻したらしい。 今日、ニュースを見て驚いた。 やはり原因は、ネットダウンロードの影響によるCD売り上げの激減。 パッケージに変わってデータ音源が主流になるのは頭では分かっていたが、 こんなにも早く明確な形で浮き出てくると…

Summer Sonic’06 06/08/12

at 千葉マリンスタジアム etc Fuji Rockに行けないと決まった時点で、今年の僕の夏はあってないようなもんだった。ここ数年ずっと行っていたから気付かなかったけど、一度も苗場に行ったことがなかった以前より、一度あの空気を経験した今の方が、明らかに僕…

渡辺くんのお父さんが素敵でした。

連休も終わり、明日から普段の生活が始まる。 この連休中、僕にしては珍しく殆ど寝ずに遊んだ。 後輩たちが出場する学生の大会に足を運んだ。 もう自分は違う場所にいるのだということを、改めて感じた。 3年ぶりにSummer Sonicに遊びに行った。 詳しくはLi…

スピッツ / 空の飛び方 (1994 / 09発売)

前作の制作、そして失敗にメンバーは疲れ果て、一度は解散さえも考えながら、次作の制作へと取り掛かった。セールスやチャートに対する過剰な期待は消え失せ、ありのままの自分たちを出そうという意志がこのアルバムからは伝わってくる。とりわけ、マサムネ…

「二階堂和美のアルバム」が素晴らしいです。

連休が始まる。 好きな生活送ってながら、贅沢に連休を取るぐーたら。 隣の公園では祭りが始まっている。 あまりに典型的な曲たちが流れている。 日本の夏だ。 今年は珍しく、夏がいい。 祭りがいい。 大衆音楽がいい(別に皮肉でも何でもなく)。 大衆性を…

EF / Give Me Beauty…Or Give Me Death!

誤解を承知で書かせてもらうが、エレクトロニカやポスト・ロック〜サイケデリック・ミュージックといった音楽というは結局のところ、ネクラのための音楽だ。それはAutechre以降、もしくはMogwai以降の流れの中で、そうした音楽が機材マニアや引き篭もりがち…